KimsCinematicKitchen
第5回 5月です。

GWは、もう夏休みかというような陽射しにいささか消耗気味な日々でもありましたが、晴天続きって、やっぱり嬉しいです。五月晴れの日々の中で、遅れ馳せながら今年の「アカデミー賞授賞式」を目にする機会にあずかり、ハル・ベリーが「オー、マイ・ゴッド!」を何回言ったか数えながら、ちょびっともらい泣きしたりしてました。

さて、春先の慌ただしさが続いていたので、いまや観たい(=観てない)映画が盛り沢山。で、頭をひねったあげく真っ先に観に行ったのが、『E.T./20周年アニバーサリー特別版』なのでした。観ておいて言うのもなんですけど、これまでアンブリン・エンターテイメントのマーク見るたびに無理矢理(?)思い出させられる以外は、この映画自体に、実はたいして思い入れなかったんです(笑)。封切り当時、雑誌でE.T.(本体)の写真見て「あのー、ゼンゼン可愛くないんですけどー」と思いました(スミマセン)。いや、実際、映画の中でチョコレートが使われると知ったM&M社は、「あんな醜い生き物が出る映画は支持できない」と社名を出すのを拒否したんだそうです(本当に使われたのはハーシーズ)。というわけで、私は、スピルバーグの話題作だからと観に行き、自転車のシーンでは確かに「感動した。」という、ごくごく一般的な観客の一人にすぎません。

ただし、去年、大阪に行ったとき、USJ(ユニバーサル・スタジオ・イン・ジャパン)での"E.T."体験はなかなか強烈でした。ふと通りかかった建物の窓から、何百というE.T.が一斉にワタシを見てるじゃないですか。キャー!単に、グッズ売り場に商品が陳列してあるだけなんですけどね。でも、もし子供だったら、しかも映画観る前だったら、絶対トラウマになる!と思いました。大人の私でもうなされそうな情景だったのですが、このとき同行した友達が『E.T.』信奉者だったせいもあり、月まで一緒に自転車に乗ったりしてるうちに(厳密には「空まで」だけど)、帰る頃には妙な親近感を感じてたんですねー。人間って単純。だって、E.T.の故郷(=home)にも行っちゃうんですよー!


で、映画「〜20周年アニバーサリー特別版」の方の印象はというと、なぜか観てるうちに『エクソシスト/デジタル・リミックス版』観賞時と同じキモチに。そう、いまどきのスピード感あふれる映画のテンポに慣れた体を癒すかのように、穏やかに進むストーリー展開。セットも微笑ましく思えるほど簡素。いやというほど見たことある気でいた自転車シーンも、なんだか新鮮に感じたことでした。あと、ドリュー・バリモア(当時6歳)の色っぽい「ヘ」の字の口元もこの頃から健在。めちゃくちゃ可愛いです。あー、またE.T.と一緒に自転車に乗りたいー!(これからUSJ行く方はお誘いくださいませー。)

●Kim's 近況
2ヶ月ほど前に、壁にかけっぱなしのヴェンダースのレコードの話をしましたが、模様替えしないかわりに、自分でもあれよという間に引越しをしてしまいました。あのレコード・ジャケットのイメージに触発されてしまったのかもしれませんねー。しかし、新居には極力モノを持ち込まないようにしたので、人間って色んなものに助けられて生きてるのね、と実感。昨日は箸で食べてたパスタを、今日はフォークで食べれる!みたいなことに感動しているので(どういう生活でしょ?)、日々の進化の過程が面白くて仕方なく、"ヒューマン・ネイチュア"な気分の今日この頃です。


(レーコより) 「E.T」!当時、日本でも大変な騒ぎ。一般の新聞にも「主人公の宇宙人は公開まで極秘」というような内容の記事が出たほどでした。「きしょい(気持ち悪い)のにかわいく見えるで〜」とは先に見た友人たちの言葉。で、実際に見に行くと本当にそう思えたんですよねー。姿を見られないよう毛布(シーツだっけ?)をかけられ、よたよた歩く姿や毛布からちょこっと顔を出すところとか、今でも「かわいいな〜」なんて思い出してしまいます。たしかハロウィーンのおかげで、シーツがとれて大人に姿を見られたのに「よくできたぬいぐるみね」とか言われて気付かれなかったんだよねー。東京の友人によると、映画の中で宅配ピザが出てきて、『こんなすごいものがアメリカにはあるのかっ!』とカルチャーショックを受けたそうです。私が「そうだねーあの頃ピザなんてなかったよね」と言ったら、「・・・。東京にはあったわよ、ピザ。」と一言。ごめんねー!当時は「冷凍ピザ」と「ピザパン」しかまともに食べたことのない田舎者で!!(怒)

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