2006年12月のオクシタニア (Occitanie) の音楽に関する一連の発言の抜粋です。 古い発言ほど上になっています。 リンク先のURLの維持更新は行っていませんので、 リンク先が失われている場合もありますが、ご了承ください。 コメントは談話室へお願いします。
フランス (France) の jazz/improv シーンで活躍する trombone 奏者 Yves Robert が、 In Touch (ECM, ECM1787, 2002, CD) (関連発言) 以来久々のリーダー作 L'Argent (Chief Inspector, CHHE200605, 2006, CD) をリリースしています。アコースティックだった前作とうって変って、 electronics を駆使した concrete opera とでもいう感じになっています。 女性歌手 Elisa Caron もあってか、 意外と聴き易い楽しめる作品に仕上っているのではないでしょうか。 1990年代半ばに Deux Z からのリーダー作を聴いてハマって以来、 お気に入りの trombone 奏者ですが、2000年前後はちょっとイマイチに 感じていたのも確か。この新作で新展開でしょうか。 というわけで、レビューを書いておきました。
実は半年程前にいきつけのジャズ喫茶で聴いて、 とても気に入ったので注文をかけていたのですが、 なかなか届かず今になってしまったのでした。 年内に間に合ってよかった……。
ところで、先日、偶然、 André Jaume, Musique Pour 8: L'Oc (Hat Hut, hatART1989/1990, 1982, 2LP; hatART CD 6058, 1995, CD) を中古で入手したのですが、この1981年録音の作品に Yves Robert が参加していました。 彼の最初期の録音ですね。 この作品を手に取ったきっかけは、Robert が参加していたからでなく、タイトルが 『8人のミュージシャンのための音楽:オック』だったからです。 André Jaume は1960年代末から マルセイユ (Marseilles) の jazz/improv シーンで活躍する saxophone 奏者ですし。 ひょっとして、と、思ったのですが、folk/roots 的な要素はほとんど無く 現代音楽色濃いものでした (これはこれで好きですが)。 ま、最後の曲 "Fanfare" はちょっと Une Anche Passe (関連発言) ぽい所があるかも。
ちなみに、André Jaume は ZNR, Barricade 3 (1977; Recommended, RR7, 1981 LP; ReR, ReRZNR1, 1993, CD) に参加しているわけですが (関連発言)、 これもマルセイユ地縁です。 ZNR の前身となる1970年前後に活動した underground な rock 集団 Barricade もマルセイユで結成されたものですし。 Hector Zazou, Strong Current (Materiali Sonori, MASOCD90134, 2003, CD) のブックレットに載ったインタビュー記事 "Shaken, Not Stirred" で Barricade 3 の録音の経緯も語られていますが、 それによると、Jaume だけでなく、Harvey Néneux、 Patrick Portella など、 マルセイユの友人のミュージシャンを集めて制作したと言っています。
マルセイユでは、1978年に guitar / electronics 奏者 Jean-Marc Montera によって jazz/improv/new music のミュージシャンのアソシエーション GRIM (Groupe de Recherche et d'Improvisation Musicales) (GRIM @ European Jazz Network) が結成されます。Jaume はもちろん、Robert も GRIM のメンバーです。 1990年代に Robert のリーダー作3作リリースした jazz/improv のレーベル Deux Z もマルセイユ (正確には1990年代はマルセイユの近くの街 Eguilles) のレーベルです。 といっても、1990年代は Robert のそういったバックグラウンドはほとんど意識していませんでした。 むしろ、Deux Z のサブレーベルとして始まった L'Empreinte Digitale が 1999年代末に地中海色濃い folk/roots のレーベルに様変りしてはじめて、 Deux Z / L'Empreinte Digitale がマルセイユのレーベルだと気付いたという……。
そんな folk/roots のレーベルとなった L'Empreinte Digitale の1990年代末のリリースに、 Gacha Empega, Polyphonies Marseillaises (L'Empreinte Digitale, ED13080, 1998, CD) (レビュー) があります。そして、このグループのメンバーだった Manu Théron はグループ Lo Còr De La Plana (レビュー) を、 Sam Karpiéna はグループ Dupain (レビュー) を結成します。 そして、Dupain の2ndアルバム Camina (Virgin (France), 7243 812498 2, 2002, CD) (レビュー) をプロデュースしたのは、 1999年以降 Yves Robert のグループの drums 奏者でもある Cyril Atef のグループ Bumcello だったのでした。
と、Yves Robert の新作を取り上げたついでに、 マルセイユ地縁で Barricade から Dupain まで軽く辿ってみました。 Chief Inspector レーベルの話もしたいと思っていたのですが、また別の機会に……。
昨晩、Barricade から Dupain まで辿る マルセイユ (Marseilles, PACA) 話をしたわけですが、 そのフォローアップというか、最近の folk/roots 寄りのもの話。 まず、最後の方に Dupain と並べて名前を挙げた Lo Còr De La Plana から。
Lo Còr De La Plana は来年早々に新譜 Tant Deman (Buda Musique, 2007) をリリース、1/17にはパリでお披露目コンサートを予定しています。 既に彼らの MySpace では、 新作からの3曲、"Tant Deman"、"La Noviota"、"Fanfarneta" が聴かれます。 また、MySpace に貼られていますが、 彼らのスタジオでの様子を捉えた映像が YouTube に載っています。 映像は断片的なものですが……。 CDが入手できるまで、これらで予習しておきましょう。
Lo Còr De La Plana と関係深いマルセイユの女性コーラスグループ Original'Occitana もアルバムを録音していたようですが、 リリースのアナウンスはありません。もう暫くかかるのかしらん。 というか、レーベルはどこになるのでしょう……。 ところで、状態は悪いですが、Original'Occitana も YouTube にライブ映像 "Original'Occitana" (00:43; Added: October 22, 2006) が載っています。
オクシタニア (Occitanie) 物の新作といえば、 マルセイユではなくトゥールーズ (Toulouse, Midi-Pyrenées) のグループ Bombes 2 Bal も、新譜 Quartier Enchantant (Tôt Ou Tard, 2007) を来年4月にリリース予定です。 MySpace にアナウンスは出ていますが、まだ音源を公開したりはしていません。 Danse Avec Ta Grand-Mère (Tot Ou Tard, 8345 10520 2, 2004, CD) もとても良かったですし、 新作もかなり楽しみです。
MySpace といえば、コルド (Cordes sur Ciel, Midi-Pyrenées) のグループ La Talvera (レビュー) の MySpace が、 YouTube とかの貼込み過ぎで、大変見辛いことになっています……。 ので、YouTube の映像を以下にリストアップしておきます。 しかし、やっぱり、ライヴは盆踊りみたいだなぁ……。
ちなみに、La Talvera の映像を YouTube へ載せているのは ANPOLUTA というユーザなのですが、彼の載せたビデオの中に、 "Massilia" (00:46; Added: July 24, 2006) というのが。MicMac の屋台みたいなのですが、状況がよくわからない……。