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ポール・クルーグマンのコラムの翻訳 / Translations of Paul Krugman's Columns


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(翻訳しようと思ったきっかけであるクルーグマンのコラムを面白さを紹介する目的は果たせたと考えます。 今後の更新の予定はありません。)

ポール・クルーグマン (Paul Krugman)The New York Times のコラムから、 9.11テロ以降、特にイラク戦争などに関係していて、僕が興味深いと思ったものを翻訳して紹介しています。 英語に抵抗感を持っている人に内容を紹介するためにやっている事で、非公式なものです。 英語を得意としているわけでも、背景となる分野に詳しいわけでもありません。 正確な内容については、原文を参照してください。 もちろん、誤訳・誤字・脱字などの指摘、 もっとこなれた言い回しのための助言など、コメント大歓迎です。

「栄光の道」 ("Paths to Glory", 2003/05/16)
テレビ上での勝利の栄光を追い求めること ―― そのため、ブッシュ政権は、アルカイダから注意を逸らし、邪悪かもしれないが脅威ではない支配体制との戦いを選んだ ―― によって、そんなことをしなかった場合で想定される状況より、我々ははるか安全でなくなってしまった。
「チャイナ・シンドローム」 ("The China Syndrome", 2003/05/13)
BBC は英国政府に所有されており、政府の政策を支持することが期待されていてもおかしくなかった。しかし、実際は、BBC は頑固に ―― 批判的な人に言わせれば頑固過ぎるほどに ―― 中立性を保とうとした。米国のテレビ・ネットワークは民間である。しかし、彼らは、国営メディアのように振舞った。 このパラドックスを説明するのは何なんだろうか。それは、チャイナ・シンドロームと関係があるかもしれない。といっても、原子炉でおきることではなくて、ルパート・マードック (Rupert Murdoch) のニュース・コーポレーション (News Corporation) が中華人民共和国政府と交渉した際に示したことなのだが。
「どこが強調されていたかの問題」 ("Matters of Emphasis", 2003/04/29)
…… このように、イラクの人々への我々の深い関心も、他の地域で苦しんでいる人々へ拡がって行くことは無さそうだ。そしてそれは、単に、「どこが強調されていたかの問題」だと、私は推測している。 …… しかし、本来は、民主主義の決定というのは、良かれ悪かれ、人々の十分な説明に基づく同意によってなされなければならないものだ。今回、そうはならなかった。そして、アメリカは民主主義の国だ ―― そうじゃないのか?
「世界を拒絶すること」 ( "Rejecting the World", 2003/04/18)
…… 今日、孤立主義が実行可能な立場であると考える人はいない。 しかし、同じ衝動 ―― 自分が他より道徳的に優れているという主張、他の異なった視点を考慮することを嫌う姿勢 ―― が、アメリカの新たな単独行動主義の精神の背後にある。 明らかに我々は世界を無視することはできない。 だが、多くのアメリカの人々は、我々のやっていることに口出しする権利を他の国々も持つべきだという考えを、拒絶している。 ……
「征服と無策」 ( "Conquest and Neglect", 2003/04/11)
…… どうして、心配するのか。 イラクの人々の気持ちをよく理解しているふりをするつもりはない。 しかし、将来に対して幸先良くないブッシュ政権の仕事の仕方のパターン ―― 征服とそれに続く有害な無策というパターンがあるのだ。 ……
「奥の手」 ( "The Last Refuge", 2003/04/08)
…… 戦争が終わるまでブッシュ政権に対する批判は控えるべきだ、と主張する小心者もいるだろう。 しかし、そんなのは、アメリカの伝統じゃない ―― それにしても、戦争はいつ終わるのだろうか。 …… そして、それまで、もしラシコット氏や共和党に基本原則を決めるのを許したら、大統領を批判したり選挙による政権交代を呼びかけたりすることが誰にもできなくなるだろう。 これがどういうことか判るだろう。 もしそんなことになったら、戦場でどういう結果になろうとも、我々は戦争に負けたということになるだろう。
「影響力の伝達経路」 ("Channels of Influence", 2003/03/25)
…… 誰がこれらの戦争支持集会を組織してきたのか? 答はこうだとわかった。 ブッシュ政権と密接な関係にあるラジオ業界の中心的な立案者たちによって、これらの集会が推し進められていたと。 ……
「来たるべきもの」 ("Things to Come", 2003/03/18)
…… そして、今、主張が嘘だとばれたときでも平気で根拠薄弱な主張をすることができると、武力による威嚇が支持率を上げ反対派を抑えこむと、現政権は気付いている。 もしかしたら、そう気付いてそれに基いて行動することを、現政権は立派にも拒絶するかもしれない。 しかし、国際政治においてはもちろん、国内政治においても、この戦争が来たるべきものであったということになってしまうことを、私は懸念せざるを得ない。
「脅迫、約束、そして嘘」 ("Threats, Promises and Lies", 2003/02/25)
…… しかし、信用というのは、単に邪魔する人々を懲らしめることじゃない。 信用というのは、約束を守り、真実を述べるということなのだ。 そして、そういったことに、ブッシュ政権は問題があるのだ。 ……
「軍事的プラン」 ("The Martial Plan", 2003/02/21)
…… そう、これでわかっただろう。ブッシュ政権は軍事的プランをやっているんだ、マーシャル・プランじゃなくて。 攻撃のために何億も使うけど、復興のためにはびた一文出さない。 ……
「大きな隔たりの裏にあるもの」 ("Behind the Great Divide", 2003/02/18)
ヨーロッパとアメリカはどうして急にこんなに対立するようになったのか、たくさんの憶測がされてきた。 文化の問題だろうか? 歴史の問題か? しかし、今まで議論されているのを私がみたことがない明白な点が一つある。 我々が異なったものの見方をするようになったのは、我々が異なったニュースを見ているからだ、という。 ……

他にポール・クルーグマンのコラム・論文の翻訳が読める所


嶋田 丈裕 / Takehiro Shimada (a.k.a. "TFJ" or "Trout Fishing in Japan") <tfj@kt.rim.or.jp>