- 弦巻, 東京, Mon Dec 23 23:48:00 2002

音盤雑記帖の更新ですが、 Arnaldo Antunes / Carlinhos Brown / Marisa Monte という Brazil のスーパートリオによる Tribalistas (Phonomotor / EMI Brasil, 542148-2, 2002, CCCD) のレヴューを書きました。 Antunes と Monte はずっと ミュージシャンなので思い入れも大きいわけですが。 良く出来た pop なアルバムに仕上っています。 この面子で来日してくれないかしらん。生で観てみたいですね。

しかし、このアルバム、 CCCD でのリリースなんですよね。CCCD なんて初めて買いましたよ。 メジャーなミュージシャンのCDとかあまり縁が無かったですからね。 で、案の定、 僕が使っている携帯CDプレーヤ Sony D-CJ01 では再生できませんでした。しくしく。 Antunes も Brown も Monte もメジャーだしなぁ。 これからのリリースはみんな CCCD になってしまうのかなぁ…。うーむ。

ちなみに、Tribalistas はDVDもリリースされているのですが、これは未入手。 未確認ですがどうやらセッション風景を収めたもののようなので、 どうしようかなぁ、という感じです。映像作品といえば、Tribalistas より Arnaldo Antuens, Nome (BMG Brasil, M3-01500, 1993, VHS) のDVD化を熱烈キボンヌ。Tribalistas を聴いていて、ますます、 Nome ってサウンドとしても 素晴らしい作品だったなぁ、と思いましたよ。 映像作品という面でも、メディアアートの雑誌 Leonardo"A Radical Intervension: Brazilian Electronic Art" という特集の、 Arlindo Machado, "Video Art: The Brazilian Adventure" という記事の中でも、以下のように紹介されています。

Arnaldo Antunes is much better known in Brazil as a singer, former leader of one of Brazil's most influential rock groups, The Titans. Over the last three years, after breaking off with the band, he has returned to his old passion, poetry. Three collections of his poems have been published. After 1992 he began to experiment with a new form of literature, produced on the computer and intended to be read on the television screen. Using resources from video and computer graphics, he launched in 1993 a collection of 30 impressive video-poems, Nome (Name), which combine animated texts with changing colors, images taken with video cameras, oralization and music. Like Kogut's Parabolic People, this is another step in the direction of multimedia art, able to combine all previous forms of art in a perfect synthesis.

というか、こういう作品こそ、 美術館でのミュージックビデオの展覧会で 取り上げるべきなんじゃないか、と、思うんですが…。

さて、Brazil の音楽といえば、今年に入って一番 ったのが、 Nouvelle Cousine 改め NouvelleFree Bossa (YBrazil?, YB?CD008, 2000, CD)。 そんなわけで、Nouvelle Cuisine 時代の録音を遡って聴いてみています。 1st アルバム Nouvelle Cuisine (WEA Brasil, 1988) と 2nd アルバム Slow Food (WEA Brasil, 1991) は、 さらにレアトラック4曲を追加した e-collections (WEA Brasil, 857389141-2, 2001, 2CD) として CD化されています。もちろん、3rd アルバム Novelhonovo (Eldorado, 946025, 1995, CD) も併せて聴いたのですが。男性歌手 Carlos Fernando も悪くないんですけど、 Free Bossa の女性歌手 Estela Cassilatti と比べたら華がないのは否めないですね…。 MPB の曲もやってますが、jazz というか third stream っぽさが高いです。 Slow Food の "Notas" では、Gal Costa が歌ってます。をを。 そういえば、Marisa Monte の San Paolo デビューって、 実は Nouvelle Cuisine への客演でだった、ということを最近になって知りました。 というか、彼女のデビュー作 Marisa Monte, Marisa Monte (EMI Brasil, 791761-2, 1988, CD) で、一曲、Nouvelle Cuisine をバックに Carlos Fernando と Garshwin の "Bess You Is My Woman" (from "Porgy And Bess") をデュエットしているじゃないですかー。そういう繋がりがあったのか〜。 というか、この界隈、なんだかんだいって人脈狭いのかなぁ、と思ったり。 Nouvelle Cuisine 界隈の関連盤といえば、男性歌手の Carlos Fernando が guitar 奏者 Toninho Horta と作った Qualquer Cancao Chico Buarque (WEA Brasil, 1994) というのもちょっと気になってますが…。 Nouvelle Cuisine を聴いていて Fernando の歌声にハマった、ということもないですし。 Chico Buarque 曲集とは渋いけど地味な…、という感じで、手をだしていません…。