甘い生活苦タイトル画
タイトル画:武川雅寛・白井良明(ムーンライダーズ)

 2002年9月 第9回 「狂った野獣的尺度」

 京都を舞台にした、バスジャックモノである。乗っ取られた市バスへ、歩道橋からダイビングを試みる、白バイ警官。扮するは、当時、主役を食ってしまえ、の勢いがあったピラニア軍団、室田日出男。

 グッチャ。。。

 飛び降りが成功し、これから息詰まるカーチェイスを誰もが期待した筈。しかしタイミングが悪かった、ですまされるのであろうか?何もなかった様に、歩道橋下を通り過ぎるバス。その後、落下する室やん。ピラニアどころか、鰹のタタキと化し、路上で息絶えるのである。ギャグ?それとも・・・苦痛にもそれは、観客の判断に委ねられる。単に、アクション映画として、ジャンル分けはできそうにもない。

 海の向こう、ニューシネマの精神である、メッセージ・イン・ア・ボトルな叫び。そして、当時ブームだった、パニックもののエッセンスをも、取り入れた「狂った野獣」。流行を敏感に反映した所等、いかにも東映作品らしい。そして、実に、京都的とも。

 元をただせば、人質といえど、小学生、自己中心なオバはん、ちんどん屋、不倫関係の教師と保護者、そしてジジィである。何か、おかしい。言い換えれば、それは、バスと京の街に見立て、修学旅行のガキ、エゴ、伝統、エロ、年寄りが渦巻く模様を、比喩的に意味しているのに違いない。映像のダブルミーニングである。そんな、決して単一でない京の街に、こんなドラマチックな犯罪が起こればどうなるのか?

 人質も犯人も警官も、京都のヌルイ空気がそうさせるのだろう、皆リラックスしてパニクっている様に見える。演技である事を、忘れさせてくれない演出は、何か作品に不思議な奥行きをも、つくりだすのに成功している。そんな中、唯一本気なのが、本人役で劇中「しょんべんだらけの湖」をがなりたてる、三上寛ぐらいなものであろうか。

 この作品の不思議加減は、私の中では尺度と化している。俗にいう、「変なモノ」に出会った場合、それはこの作品より上か下か、判断するツールとして使わせてもらっている。


←真夏時の、ムレが原因か?最近、陰部がムショーにカユい。
白せん菌によるものだと、思い「ピロエースW」を塗ってもダメ。
ダニ等の、虫さされが原因か「ムヒ」を使ってみても、効果ナシ。
ワイドショー風に、タイトルつければ「タマちゃん危機一髪」でな、ところである。
デリケート部のカユみ繋がりで次に「フェミニーナ軟膏」を試そうとしている筆者は、「狂った野獣の変」より上か?下か?さぁ、どっち?

葛城より:自分のまゆ毛を、カットしていたら(苦笑)、ハサミで眼球をグサリ。眼科の、若い女医さん曰く「的が外れていてよかったですね。もう少しで、アンダルシアのサンゲリアになるところでしたよ(ハートマーク)」と、診断される。で、その知的な美貌の女医さんに、「目を奪われる」というオチに、たどり着く。チャン。チャン。それでは「含羞の人#02」の件、広報部長のレーコ、宣伝よろしくーっ!


(レーコより)そうなんです。 前回の「含羞の人」第1号の発行から17ヵ月。 ようやく「含羞の人」第2号が完成しました!えらい!葛城さん! 今回は、編集の段階から私もちょっとだけ参加させていただきましたが、 楽しい経験でした。京都を中心に配布していますので、ぜひぜひご一読くださいませ。 宣伝&執筆陣&配布先リストはこちらから!

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※「シネマックスモナムール」(全12回)は、2001年に葛城さんに連載していただいた、熱く濃ゆ〜い、日本映画コラムです。読みたい方は下記バナ−をクリックして、ご覧ください。


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