さて、この週末の音盤雑記帖の更新ですが、 Napoli (Campania, Italy) の女性歌手 Maria Pia De Vito の特集です。 以前に、軽く言及したことがありますが。新作、 Maria Pia De Vito, Nel Respiro (Provocateur, PVC1031, 2002, CD) がリリースされたので、それに合わせて一挙5枚レヴューしてしまいました。 新作は意欲的だとは思いますが、 Maria Pia De Vito / John Taylor / Ralph Towner Verso (Provocateur, PVC1023, 2000, CD) の方がとっつき易いかも。 けど、やっぱり、是非聴いて欲しいのは、 Maria Pia De Vito / Arto Tuncboyaciyan / Rita Marcotulli, Triboh (Polo Sud, PS026, 1998, CD)。 Colin Towns' Mask Quintet with Maria Pia De Vito, Still Life (Provocateur, PVC015, 1998, CD) や Maria Pia De Vito, Fore Paese (Polo Sud, PS009, 1996, CD) は、その後に聴き進むような音盤でしょう。
Maria Pia De Vito を聴いていると、Portugal の Maria Joao (レヴュー) を連想するところがあったりするわけですが。以前に、 Jay Clayton / Jerry Granelli も特集レヴュー+αしてますし、 Karin Krog / John Surman を取り上げたこともありますし。 我ながら、この手の女性ヴォーカルが好きだなぁ、と思ったり…。ふむ。
というわけで、昨晩の Maria Pia De Vito の レヴューのフォローアップ、というわけじゃないですが、 僕が気にかけている Italy のレーベルをざっと紹介。 もちろん、メジャーなものではなく、 音盤雑記帖で取りあげてきているような音楽と 共通するセンスを感じる音楽をリリースしている 独立系レーベルを挙げているつもりです。 Italy 物を集中的に追いかけているわけでないので、抜けも多いと思います。 このレーベルを挙げるならどうしてここも挙げないのか、というレーベルがあったら、 ここで紹介してもらえると、とても嬉しいです。
まず、比較的大手のレーベルといえば、 Materiali Sonori。 Crammed Discs や Les Disques Du Crepuscule に縁のあるミュージシャンたち (The Durutti Column, Tuxedomoon, Wim Merten など) のリリースで 1980年代から追いかけているレーベルですが、 avant-rock や improv.、world music から ambient techno まで それなりの統一感を出してリリースしている面白いレーベルです (レヴュー)。 オンライン・ショップは、Italy の多くの独立系レーベルがメインを扱っています。 Italy 外のものとしては、Crammed や Sub Rosa のCDも扱っています。
Materiali Sonori 程ではないけれども、それと並ぶ興味深いレーベルが、 Torino の Felmay。 以前は、Robi Droli と名乗っていていました。 free jazz / improv. や現代音楽を扱う New Tone と、 world music や伝統的な音楽を扱う Dunya という 2つのサブレーベルという形になっています。 なかなか渋めのリリースがあって、 Riccardo Tesi や Enzo Favata など、 folk-influenced な jazz / improv. のリリースに良いものが多く、 France の Silex にも近い雰囲気を感じます。 (レヴュー)。 ここのオンライン・ショップでは、Italy 外の 伝統的な音楽や jazz / improv. 寄りの world music を扱うレーベル (Silex とか) のCDを多く扱っています。
folk-influenced な jazz / improv. 〜 alternative music といえば、 Roma の C.N.I. や、 Napoli の Polo Sud、 Perugia の Egea、 それから左翼系の新聞 Il Manifest が リリースしているCDにも 興味深いものが多いです。 この界隈を追いかけていてとてもよく見かけるミュージシャンに、 Napoli 出身の Daniele Sepe がいます。
folk-influenced は置いといて、Italy の jazz / improv. レーベルといえば、 Milano の Black Saint / Soul Note は、良いリリースが多いですが、特に Italy 物に強いという感じではありません。 むしろ、Roma の Splasc(h) の方が、 Carlo Actis Dato など、 地元 Italy の面白いミュージシャンを紹介しているように思います。 また、最近は、World Series で Italy 外の興味深いミュージシャンも取りあげてます。
そういえば、Italy の indie-rock/pop や techno/house に関しては これといった独立系レーベルを知らないんですよねー。 去年 Avinion 〜 Venezia に行ったとき、 Rockerilla っていう雑誌を 買ってみたんだけど、これといって引っかかるもの見付けられなかったしなぁ。 何かお勧めのものがあったら、教えて下さい。