KimsCinematicKitchen
テキスト&フォト&イラスト by キム・パプコ

第14回2月号  猟奇的な季節!?

 巷ではインフルエンザ注意報発令。 私も突如、夜中に熱がガーッと急上昇してしまい、 仕事は休めないので朝からヨロヨロ電車に乗ったりして、ホント情けない状態。 こんなときこそ韓国料理!と思ったけど、 キムチ・パワーを吸収するにもカラダが弱りすぎてたようで、あえなく断念。 とほほ。しかし、幸運にも1週間以内に生還できました。すでに映画の禁断症状も出てたので、 せめて韓国映画でパワー充電しようと『猟奇的な彼女』を観に行きました。 まず、観終わっての感想としては、とりあえず“お尻が痛い”です(笑)。 あ、これは私がシャンテ・シネの水曜夜の回に駆け込んだせいで、 サービス・デーのため立ち見必須となっていたのでした。 うーん、2時間近く階段に座って観るなんて、風邪の回復には逆効果じゃないか!?

 さて物語はというと…美人を見ると追っかけずにいられない 大学生のキョヌ(チャ・テヒョン)が、 地下鉄で泥酔状態の“彼女”(チョン・ジヒョン)に出会ったのが運の尽き。 過激なアクシデントの連続に「こんなオンナ勘弁!」と思ったのに、 人のよさがアダになって、すっかり彼女の思いのまま。 原作は、インターネットで連載され大ヒットした作品だとか。 なにより『イルマーレ』で可憐な少女を演じた、チョン・ジヒョンのぶっ飛びぶりが爽快! 荒っぽい言葉づかいとお嬢様風ルックスとのミスマッチが、なんとも言えません。 そして、キョヌを演じるチャ・テヒョンは人なつこい三枚目キャラがハマってて、 もう表情見てるだけで楽しくなってくるー。すでにTVドラマ等で人気者というのも納得です。 雰囲気は武田鉄矢、メガネかけて大人びるとハン・ソッキュ、イガグリ頭では素朴な少年の顔を見せ、 かと思うとヒゲ面も渋くキマってました(一体どういう役柄なんでしょーね)。
 「猟奇」(=ヨプキ)って、韓国語では“ちょっと変てこな”ってニュアンスで使われてるそうですけど、この字面って日本語的には、どうにも胸騒ぎがしますよね。血なまぐさい犯罪と狂気の匂い。なにせ『きれいな猟奇』の著者、滝本誠氏もうっかり観ちゃったそうですから。しかも、本来の思惑が外れながらも、氏が結果的にかなりコーフンした模様がプログラムにも綴られてます。侮れません。劇場の方でも、ドッカンドッカン笑ったりどよめいたり、帰りにはグズグズ鼻を啜る音が聞こえたり、ここは韓国の映画館?と思うほど賑やかなことになっちゃってて、かなり観客のハートをつかんでました。あー、しかし場内騒然の超過激シーンもあるので、これから観る人は心してください。個人的には、“彼女”が「アラッソ!」と言うたびに「あら、そう」って字幕が付くのが微笑ましかったりもして。『チョンマルブック』でハングルの勉強、復帰しよーかな。

 *『猟奇的な彼女』を味見してみたら・・・ただのキムチうどんを頼んだのに、お椀にはカルビやらイカやら盛り沢山でコチュジャンたっぷり!困惑しつつも、激辛の中にほのかな甘味があとを引き、結局スープまで飲んじゃいました。心もカラダもポッカポカで風邪も全快!

『猟奇的な彼女』→http://www.ryoukiteki.com/

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●Kim's 近況

 TVで、なにやら70%の湿度でウィルスが死ぬ!と聞いたので、まだ熱っぽい身体を引きずるよーにディスカウント・ショップへ行き、「ペットボトル加湿器」ってヤツを購入してきました。本体は小柄で意外とキュートなデザイン。ボトル(300または500mlの国産のもの)のキャップだけ付け換えたら逆さに立てて電源を入れると、下からほんのり光が差すのです。一体、ソレに何の意味が??と半信半疑でスイッチをONにしてみました。そして寝る前に明かりを消したら、部屋の片隅でメロン色の光をほのかに放ちながらコポコポやっておりまして、なんか可愛いじゃないか〜。風邪で弱った身には、その健気な働き振りがいとおしく、数日ボンヤリ加湿器眺めて過ごしてました(笑)。そんなことやってるうち、結局インフルエンザではなかったことが判明。ぐぐ、単なる気力負けか…。


(レーコより)キムさんが風邪で苦しんでいたのは知っていましたが、こんな加湿器を購入していたのは知らなかった。リサイクルに一役買っている分、「エコ商品」なんですか?私も欲しくなってしまいました。肌って乾燥すると本当に情けない。バリバリ・・・。

 さて『猟奇的な彼女』。私は今のところ予告編だけ鑑賞済み。よく見ている韓国映画のサイトでは、2年前の現地での公開と同時に掲示板で話題沸騰でした。書き込みを読むとあらすじがわかるし、場合によってはネタバレを読んでしまいそうだし、「猟奇」がタイトルの書き込みは避けて読んでたことを思い出しました。ようやく日本上陸。ハリウッドのドリームワークスもリメイク権を買ったそうで、今からそっちも楽しみです。ココ最近韓国映画を見てなかったけど、『猟奇的な彼女』を見たら、きっと帰りにツタヤで韓国映画のビデオ、借りてしまいそうな気がするな。

Kim's Cinematic Kitchen バックナンバー
1月号 2月号 3月号
4月号「春一番」 5月号「5月です」 6月号「少林サッカー」
7月号「髪を切る人」 8月号「夏が来た!」 9月号「シネコン大好き」
10月号「秋の夕日に・・・♪」 11月号「厨房にて」 12月号「冬もいよいよ」
2003年1月号
「羊といえば・・・」


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