甘い生活苦タイトル画
タイトル画:武川雅寛・白井良明(ムーンライダーズ)

 2004年9月 第19回

 以前から、ずーっと行ってみたかった、「水木しげる記念館」。今回、念願かない、ようやく来館する事ができた。

 館内は、水木しげるの生い立ちと、氏のコレクションである、世界各国の妖怪面の展示で構成されていた。「昔は、暗いところが多く、お化けもたくさん住んでいました。私は、電灯がお化けを消したのではないか、と思っています。ここに集まってもらったお化けたちを、のんびりと見てもらえれば、よろしいです。」エコスタイルが、とやかく騒がれる前から、自然がベースにあった水木先生。さすがわかっていらっしゃる。

 私が一番興味深かったのが、先生は戦時中、出兵先のジャングルで、あの「ぬりかべ」と遭遇されたらしい。生きるか死ぬかの、極限状態の中、行けども行けども、前に進めなかったらしい。振り返ってみると、私自身も、「砂かけばばぁ」の仕業かな、得意先から塩をまかれ、「子泣きじじぃ」の仕業だろう、毎日プレッシャーに押しつぶされ、そして「ぬりかべ」の仕業に違いない、四面楚歌で孤立している。先生同様、都会のジャングルで、それら妖怪と遭遇していたと思われる。

 退場して、太陽に照り付けられた私に、添乗員が人間離れした速度で近づいてきた。「葛城さん、いかがでした?こんなとこ、ついでがないと絶対来ませんからねぇ。」長年の夢を果たし、満足感に浸っている私を、素に戻す言葉。近年、急激なスピードで増殖し続ける、妖怪「怖幽怪(ふゆかい)」に会ったと思った。

葛城より:どらえもん、ではなく、どらちゃん。薬物を乱用してテンパって見える、どらえもん、じゃなくて、どらちゃん。実に気持ちよさそう。どらちゃんが本物で、どらえもんを類似キャラと言い切る、あんちゃんがナイスでした。神戸三宮で深夜に採取。

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※「シネマックスモナムール」(全12回)は、2001年に葛城さんに連載していただいた、熱く濃ゆ〜い、日本映画コラムです。読みたい方は下記バナ−をクリックして、ご覧ください。


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