KimsCinematicKitchen
テキスト&フォト&イラスト by キム・パプコ

第19回7月号  CANDYアイ・ラブ・ユー

 さて、そろそろ思いきり夏!という感じの『ブルークラッシュ』なんか観たいんですが、やっぱり8月まで取っておこー、とか、『ホテル・ハイビスカス』を観たのも早すぎたかな、などと反省したりしてる日々。思えば中途半端な季節です。この湿度の高い陽気のせいなのか、週末になると何も考えずにフワフワと観ていられる映画はないかと物色してたりします。そんな「おバカな映画が観たい!」という突き上がるよーな欲求に身をまかせ、観て来ましたよ、『CANDY』。なぜ今、30年ぶりにリバイバル公開?なぜ今、文庫版が復刻?って疑問はありますが、とりあえず私の欲求には答えてくれた模様です。

 この映画、実はずっと昔にテレビ東京で放映されたの観た記憶があるのですが、以前からサントラ・ショップでも気になる存在でした。だって、ジャケットにはブロンドの女の子がひとさし指くわえてる顔のアップ。一度見たら忘れられません!とにかく主人公のキャンディを演じるスウェーデン人のブロンド娘=エヴァ・オーリンがこの映画のすべて。キャンディは着せ替え人形のよーに可愛いし、回りを取り巻くおじさんたちは、よくよく見ればリチャード・バートン、ジェームズ・コバーン、マーロン・ブランドなどなど超豪華キャスト。テレビ放映の1時間半(CM含む)なんてアッという間の出来事でした。私はバービー人形もリカちゃん人形も欲しがらなかったけど、キャンディ人形あったら欲しいかも!ちょっとエッチだけどコケティッシュなキャンディは、水森亜土グッズ好き、またはtATu大好きな女の子たちのハートだって射止めるに違いありません。

 お話は、「愛のためにはすべてを与える」というモットーを貫く “キャンディ”と、それを都合のよい解釈しては彼女に近づく男たちとの“触れ合い”(←きれいな言葉を選んでみました)の数々。出だしは学園モノですが、なぜか軍用機、病院、ハイウェイ、砂漠、と舞台は移り変わり、奇想天外な方向へ。絶対トリップしながら作ったでしょ、ってストーリー展開ですが、CGをほどこしてるわけでもないので、今となってはむしろ素朴な映像です(因みに撮影監督は、ヴィスコンティやフェリーニの映画に携わって人とか)。

 脚本・原作に携わったテリー・サザーンはカウンターカルチャーの申し子と呼ばれ、『イージー・ライダー』や『博士の異常な愛情』を書いた脚本家。これを聞くと、どんなに才能のある人なのか、と思うでしょーが、この映画を観る限りカンペキに忘れていいです(笑)。なお、今回の公開版はアメリカで公開されたときの2時間4分のロング・バージョン。で、観終わって思ったんですが、常々、きちんと編集された方が「完全版」で、未公開シーンを加えたのは“蛇足版”ていう場合だってあるんじゃないの?と思ってる私としては、この映画の「完全版」はテレビ東京の放映版であったということでした。恐るべし、テレビ東京。とはいえ、シネマライズのレイト、結構人気です。

 *『CANDY』を味見してみたら・・・甘ったるくて、ねっとりして、カラフルで、おいしそー、という食べ物といえば、そ、それは、まさしく九州名物「しろくま」を思わせるではないですか!ていうか、最近、冷凍庫に常備してます。お気に入り。

『CANDY』
http://www.candy-1969.com/
しろくま
http://www.marunaga.com/7seihin/kyusyu/f_kyusyu.html
●Kim's 近況

 めっきり天気予報も当たらない今日この頃。会社と家の間を、長い傘をぶらさげては行ったり来たり、折りたたみ傘をバッグに入れたまま行ったり来たりしております。そういえば先月、『六月の蛇』を観に行った大雨の日。シネアミューズに着く前、雨漏りに耐え切れず109で新しい傘を購入していたのですが、家に帰って改めて見たら、店内で“オレンジ色の小さな水玉”に見えていた柄(がら)が、なんと“ピンクのハート・マーク”!だったことが発覚。店内の照明のせいだと思いますけど(たまにこういうことありません?)。とりあえず友達には「カワイイ傘もってるねー」などと言われてるのですが、ガラにもない傘を買ってしまいました…。という意味でも、早く梅雨明けしないかな。


Kim's Cinematic Kitchen バックナンバー
1月号 2月号 3月号
4月号「春一番」 5月号「5月です」 6月号「少林サッカー」
7月号「髪を切る人」 8月号「夏が来た!」 9月号「シネコン大好き」
10月号「秋の夕日に・・・♪」 11月号「厨房にて」 12月号「冬もいよいよ」
2003年1月号
「羊といえば・・・」
2月号
「猟奇的な季節!?」
3月号
「ピアノのおけいこ」
4月号
「できれば僕をつかまえて」
5月号
「いつかあなたも六本人」
6月号
「雨の日に六月の蛇を見たか?」


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