KimsCinematicKitchen
テキスト&フォト&イラスト by キム・パプコ

第20回8月号  8月の風に吹かれたい!

 例年なら今頃は夏真っ盛りで、夏気分をさらに盛り上げる映画を観る、ってはずなんですけどねー。なんだか、夏ってどんなんだっけ?って思い出すために観なくちゃならない感じになってしまいました。で、とりあえず、それが一番わかりやすそーな『ブルークラッシュ』観ました。

 サーフィンというのは、なにかあまり身近ではないスポーツって気がするんですけど。ファッションと結びついてたり、ちょっと軽薄な、遊び人のスポーツってイメージが強いせいかなあ。その上、習得するにしても、かなり難易度高そうに見えることも関係してますよね。たとえば、スキーなんかは、大して上級者じゃなくても、とりあえず山の上から麓までたどり着くことは可能じゃないですか。コブのない斜面を八の字スキーでずるずる滑れば、さほど転ぶこともなく滑り切ることができるわけで、それなりの楽しみはあります。でも、サーフィンとなると、ボードに乗るだけでも至難のワザだし、波を選ぶのも難しそう。TVでたまにサーファーの映像など観ても、あっという間にバランス崩して海に落ちる場面ばかり。なんて達成感のないスポーツ!って思ってました。

 それが、この映画で観たら、サーフィン・シーンって気持ちいいー。たぶんお遊びとしてじゃなく、プロ=完璧に近い技が観れるからなんでしょーね。波に乗ってる時間も長いし、女の子たちのサーフィンがカッコイイ!これはサーファーの視点でスピード感が味わえるカメラワークのおかげかも知れませんが。まるで自分がサーフボードに乗ってるかのように巨大な波に襲われ、壁のような波の表面を滑り、渦巻く波の内側のうねりまで目の前に。水中カメラマンにはボディ・ボーダー世界チャンピオンも起用されてる上に撮影技術の進歩もあって、たとえば『ビッグ・ウェンズデー』('78)などでは有り得なかった映像が可能になっているようです。

 ハワイを舞台にサーフィンしまくる3人の女の子たちの中で、大きな大会で事故に遭い自信を失った主役の女の子にケイト・ボスワース。彼女を叱咤激励する友達が、『ガールファイト』('00)のミシェル・ロドリゲス。ヒッチコック映画じゃないけど、ボスワースの髪がブロンドで、ロドリゲスがダークブラウンなので、なんかロドリゲスがワルって感じ。っていうか、どう見ても自分でやった方が容易に目的達成できそうなんですけど。しかし、彼女には、ロマンスとサーフィンの間で揺れ動く女心、なんて似合わないものねー。悩むまでもなさそーだし。

 クライマックスは、ハワイ、オアフ島ノースショアで行われるパイプライン・マスターズ。ここでは現役の女性サーファーたちのエネルギッシュな波乗りが観れます。荒馬を乗り回すように次々と高波を制覇する女性たちに、あー、これがサーフィンてものなのね!と目からウロコ。10メートルを越えようかという高波も半端じゃない。ですが、このビーチ、実際には夏の間にまったく波が立たなくて、高波が出るのは冬場だけなんですって。自然って不思議ー。

 サーフィンの妙技とともに海の怖さも実感できるので、安易に「サーフィンしたくなっちゃった!」って私が思うことはなかったのですが、ケータイの待受にビキニ3人娘の画像を入れてホクホクしてます。これが夏なのねー。

『ブルークラッシュ』
http://www.gaga.ne.jp/bluecrush/

●Kim's 近況

 サーフィンどころか、生活習慣病予防の方が切実だわ!という私ですが、最近本屋で手にしたのが「スマート・ストレッチング(原題:"Office Yoga")」という本。朝起きてから寝るまで、家や会社でなにげなく出来るリラクゼーションの数々が載ってます。でも、オフィスの床で“コブラのポーズ”とか、机に足を乗せて屈伸は無理だなあ。その中で、これならどこでも簡単!と思った精神集中法がありました。右手の指で左右の鼻の穴を交互に押さえ、片方の穴から息を吸っては反対の穴から出す。息を止めながら、これを左右交互に繰り返すというもの。向かいの席の人に「クシャミ出そう?」って聞かれそうですけど…。

*"Office Yoga"(原書)→http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/detail/-/english-books/0811826856/pictures/14/250-9252835-4405064#more-pictures



Kim's Cinematic Kitchen バックナンバー
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4月号「春一番」 5月号「5月です」 6月号「少林サッカー」
7月号「髪を切る人」 8月号「夏が来た!」 9月号「シネコン大好き」
10月号「秋の夕日に・・・♪」 11月号「厨房にて」 12月号「冬もいよいよ」
2003年1月号
「羊といえば・・・」
2月号
「猟奇的な季節!?」
3月号
「ピアノのおけいこ」
4月号
「できれば僕をつかまえて」
5月号
「いつかあなたも六本人」
6月号
「雨の日に六月の蛇を見たか?」
7月号
「CANDYアイ・ラブ・ユー」


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