甘い生活苦タイトル画
タイトル画:武川雅寛・白井良明(ムーンライダーズ)

 2007年4月 第22回「ホステル」

 少し前のハナシ。以前、はれて当社社員となったスプラッター好きのWの要望により、福利厚生も兼ね、あの「ホステル」観賞(感傷?)ツアーを、午前大阪にて敢行してきた。
 「ホステル」の内容が内容だけに、上映中お腹がすいてはいけない、というWの提案で、まだ九時代なのに早すぎる昼食を済まし挑む、という念のいれよう。

 良く言えば、シネコン、悪く言えば、各フロアーに劇場を構えた雑居ビルの封切館は、この「ホステル」を上映するのに、おどろおどろしくはまり過ぎていた。その時は、地下が成人映画四本立て、二階が「蘇る金狼」「野獣死すべし」の松田優作特集と、間違えて入っても、これなら許せる素敵なラインナップだった。そんな事を考えながら、「ホステル」だけに受付でチェックインを済まし、いざ劇場へ。

 館内BGMの「天国の階段」(!)をバックに、当時、話題だったセレブ妻と歯科医師息子によるバラバラ殺人を徹底比較した、Wの説明を聞き時間つぶす。そこへ開演のベルが、ジミー・ペイジの叫びをシャウトした・・・。

 「ホステル」作品評を少しだけ。人体のどこが欠けようが、人間、希望さえ持ち続ければ、夢は叶う、という人生を謳歌する前向きな内容に勇気づけられた。作品から(特殊な)パワーをもらい、やっと重い空気から解放される。

 まぶしく顔をゆがめながら、「ここ出入り口で、誰かに見つかるなら、単なるスケベで言い訳できる、成人映画の方がましですよねぇー。ホステルじゃ、趣味思考がバレバレ。顔さしますよねぇー。」、とW。
「顔をさす・・・かぁ。」 こんな重低音な澱のような映画ばかり観てるくせに、バレるのをドキドキ躊躇するWが、意外だった。役職柄、大概の事では動揺しなくなった自身にとって、Wのあおーいコトバはとても初々しく、そして少し羨ましく感じた。

Wと私、当日まったく同じ靴だった・・・。(恐笑)
これを偶然、とかたずけられるのか。
ニューバランスが必然的に、アンバランスに思えた瞬間の1コマ。
ホステルポスターに対し、手を合わし合唱続ける、赤井英和がご愛嬌。
 レーコより:「ホステル」ってあれでしょ、三池崇史が出てて、"Be careful."て言う映画やろ。な〜んか、最近のホラー映画って拷問シーンが実用的過ぎる気がして怖い。「はあ〜そうか、爪きりと耳かきでそこまでできんのか」「まあ熱湯があればとりあえずなんとか」ってヒント満載みたいな気がするから見ない、ていう私の方が危険なのではっ???

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※「シネマックスモナムール」(全12回)は、2001年に葛城さんに連載していただいた、熱く濃ゆ〜い、日本映画コラムです。読みたい方は下記バナ−をクリックして、ご覧ください。


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