KimsCinematicKitchen
テキスト&フォト&イラスト by キム・パプコ

第23・24回11・12月合併号  遅れ馳せながら秋の便り


東福寺の紅葉


 このところ、すっかり旅行記のような連載になっておりますが、今月は京都です。昨年はやや出遅れの感があったので、今年は紅葉カレンダーを熟読。連休の空模様を何度も確認し、これでもう完璧!と勇んで京都へ向かったのでした。で、京都へ行くって言うと、誰もが当然のように「寒いので気をつけて!」の声。一体「さむい」ってどの程度?いくらなんでも雪国じゃないし、と思ってたのですが、行ってみてわかりました。(去年はそんなに感じなかったけど)風ひとつ吹かないのに、しんしんと地面から伝わる骨までしみる「京の底冷え」ってもの。東京の寒さとは質が違うんですねー。一気に、初マフラー、初手袋&初コタツを体験してきました。

 さて旅の始まりは、紅葉の名所で有名な東福寺から。駅を降りると塀越しにちらほら赤い葉が見え、人並みにおされて中へ入ると、あたり一面に広がる木々の彩り。特に通天橋からの眺めは、まさに絶景かな。この調子でいくともう紅葉ざんまい!ってことになりそうですぞ。と期待したんですけど…なんだか時期的には少し早かったかも。清水寺など、見ものは紅葉よりも人ごみの方でした。清水の舞台は人の重みでずっしり傾いでるように見え、ハラハラしましたよ。横から見ると、まるでピサの斜塔(>清水寺の紅葉を見たい方は、昨年12月号をご覧ください)。日没以降は押し寄せる人の群れを逆行し、高台寺ライトアップを待つ長蛇の列を横目に、知恩院より流れるジャズの演奏を聴きながら、青蓮院門跡へ。ここは相阿弥、小堀遠州作の庭園が有名ですが、すでに暗くて紅葉はほとんど見えません(とほ)。でも、ひっそりと蓮の花が浮かぶ池(←)や、青々と映し出される竹林など、幻惑的なライトアップによる演出には目を奪われます。極上の穴場スポットにておごそかに鐘を打ち鳴らしてから、祇園の街をそぞろ歩き。ようやく夜もふけてから、京都の秋を“ひんやり”味わえた気がしました。


右)伏見の商店街にて(看板にご注目)
上)寺田屋

 ここまでのところ、紅葉は東福寺に勝るもの無し。そこで、伏見〜宇治へと足を踏み入れました。伏見では竜馬の定宿、寺田屋を訪問。千石舟が行き交う濠川沿いを歩きつつ、酒蔵の街できき酒したり、酒粕ラーメンを食したり…あれ?ちっとも紅葉観てませんでした(笑)。とりあえず、お酒で温まった体をかかえて、宇治へ。平等院表参道を漂う濃厚な宇治茶の香りはこたえられませんでしたが、宇治川の向こうの山々は端っこがちょろりと赤いだけで、まだまだ青々してたんですけど。ん〜、あんなに寒いのに…。やっとのことで平等院の庭の隅に、赤く色づいた木を発見!はー。探し出すのも大変です。しかも、帰り道は天気予報も大はずれのザアザア降りとなりましたー。

 つくづく、桜の満開と紅葉の見頃って見きわめるのが難しいのね!というわけで、おそらく京都の紅葉は、ちょうど今が見頃です。急げ!

●Kim's近況●

今回すっかりお世話になった京都在住のぴーろんさん、ありがとうございました!行きたいところをワガママ勝手に並べ立てただけの私でしたが、ぴーろんさんのコーディネートのおかげでほとんど制覇できました。さすが!おまけに道中、私の飲み残したお酒をかるがると飲み干してもらったりと、ホントに頼りになりました(笑)。いや、しかし京都は奥が深い。今回、勉強不足を痛感したので、帰ってから京都の本読んで復習したりしてますが(おそい…)。また、何度でもお邪魔したいと思っておりますので、懲りずによろしくお願いします。近江牛おいしかったです!


Kim's Cinematic Kitchen バックナンバー
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4月号「春一番」 5月号「5月です」 6月号「少林サッカー」
7月号「髪を切る人」 8月号「夏が来た!」 9月号「シネコン大好き」
10月号「秋の夕日に・・・♪」 11月号「厨房にて」 12月号「冬もいよいよ」
2003年1月号
「羊といえば・・・」
2月号
「猟奇的な季節!?」
3月号
「ピアノのおけいこ」
4月号
「できれば僕をつかまえて」
5月号
「いつかあなたも六本人」
6月号
「雨の日に六月の蛇を見たか?」
7月号
「CANDYアイ・ラブ・ユー」
8月号
「8月の風に吹かれたい!」
9月号
「762平方キロメートルのギャラリー」
10月号
「秋の山形〜女囚たちの映画ざんまい」



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