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テキスト&フォト&イラスト by キム・パプコ |
第37回4月号 珈琲と煙草さえあれば ![]() |
「コーヒーとタバコは最高に合うね…」とは、イギー・ポップのお言葉。私自身はタバコ吸わなくなって随分になるけど、週の半分以上コーヒーの寄り道はしてます。コーヒーとタバコが目の前にあれば、初めて会った人ともなんとか話を始められそうな気がするし、逆にたいしてお喋りしなくても居心地わるくならない気がするものです。そしてコーヒーとタバコがあれば、映画だってできちゃうのですね。しかも短編映画がいつの間にか長編映画になるというマジックまで可能(?!)。 10年もの間に撮った11篇の短編をつなぎあげた『コーヒー&シガレッツ』ですが、時の経過も空間も飛び越えて、違和感なく一貫したトーンを貫いているのはジム・ジャームッシュならでは。ジャームッシュは、このマメな作業がお気に入りのようで、よほど楽しんだご様子。「この先も他の映画は作らなくていい」なんて言ってます。私もそんなふうに仕事がしてみたいものだ(笑)。 カメラの前でコーヒーのあるテーブルを囲むのは、ロベルト・ベニーニ、スティーブ・ブシェミ、ケイト・ブランシェット、アルフレッド・モリーナ、スティーブ・クーガン、ビル・マーレイ…などなど錚々たる顔ぶれ。これが一堂に顔を出さないとこが、むしろ贅沢というか。どのエピソードも即興で演じているような緊張感は伝わるものの、ほぼ本人は本人役として登場のせいか、たまたま隣のテーブルからのぞき見てるような印象で肩が凝らない出来でした。 ことの発端はサタデーナイト・ライブ用の短編製作(S.ライト&R.ベニーニ)、続く2作目は『ミステリー・トレイン』の撮影ついで(ジョイ&サンキ・リー、S.ブシェミ)。3作目は完全ぶっつけアドリブで、なんと93年にカンヌの短編パルム・ドール受賞(I.ポップ&T.ウェイツ)。その後、NYで3作、残りはぜ〜んぶ2003年に2週間で撮ったとは!勢いって大事ですね。お勧めはケイト・ブランシェットの一篇。真逆にある2つのキャラ(と言っても一方は本人役ですが)を演じ分け、本当にどっちもケイト??って、何度もスクリーンの左右を見比べてしまいました。メグ&ジャック・ホワイト姉弟のテスラコイル(それって何さ?)にまつわるエピソードも、親密さとクールさの入り混じった二人のほどよい距離感がよいです。全編見終わると、濃い目のエスプレッソを、香りを楽しみながらゆっくり味わったような後味が残り、帰りはデジャヴを求めて当然コーヒーショップへ。とりあえず、まだタバコはやめとくけど。 『コーヒー&シガレッツ』→http://coffee-c.com/ |
●Kim’s独り言● 唐突な思いつきで、先日ディズニー・シーへ行ってきました。もちろん子供も大好きアリエルちゃんもいるけど、全体的にレトロ感たっぷりで照明も控えめなヨーロピアン調。思ったより大人っぽいとこが意外でした。40分ほど列に並んでも到達するアトラクションは最長3分以内、って世界でしたが、週末疲れ果ててた肉体も遊ぶためにはパワー全開で自分でも呆れました。フィットネス通うより、毎日ディズニーシー行ったほうがいいんじゃないか?! |
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