第100

6月号

シネマ ファシスト 第100回 2010年6月号

 今月は休載します。


●市井義久の近況● その100 2010年6月

 100回も続いたので何か気の利いたことを書きたかったが、そのような日常を送っている訳ではないので、59才6ヶ月にして生まれて初めて体験したことを書く。人間の営為で、日常的に広く存在していながら普段目にすることのできないもの。その1つは他人の性である。5月23日、日曜日の夕方7時半頃、会社で1人で働いていて、仕事も終ったのでさあビールでも飲んで帰ろうと思い、ビールを飲みながら暮れなずむ東京の空を見ていた。そうしたら20mくらい離れた目の前のマンションの一室で電気をつけたままカーテンも閉めないで一組の男女がソファーの上でもつれ合っていた。30代前半の男性は裸体、20代後半の女性はタンクトップのみ、しばらくもつれ合っていたが、その後、何と女性が閉じている窓に両手をついて、男性が背後からというスタイルで性行為が始まった。その後カーテンが閉じられたので、その間10分から20分、プロセスは極めてありきたりであった。そのようなものを目撃する確率は極めてまれであるのに対し、行われていた営為は、極めてありきたりである。ちなみにその上の部屋の夫婦?は、窓を開け放したまま大型テレビを見ながら、それぞれ別のパソコンを叩いていた。

 昔「われ発見せり」という言葉があった。私もはじめはそう思った。しかし、生まれて初めて見る営為ではあっても、偶然にたよっていては発見とは言えぬし、まして会ったこともなく、言葉も聞こえない2人の営為は春の幻のようであった。



市井義久(映画宣伝プロデューサー)

1950年新潟県に生まれる。 1973年成蹊大学卒業、同年株式会社西友入社。 8年間店舗にて販売員として勤務。1981年株式会社シネセゾン出向。 『火まつり』製作宣伝。
キネカ大森番組担当「人魚伝説よ もう一度」「カムバックスーン泰」 などの企画実現。買付担当として『狂気の愛』『溝の中の月』など買付け。 宣伝担当として『バタアシ金魚』『ドグラ・マグラ』。
1989年西友映画事業部へ『橋のない川』製作事務。 『乳房』『クレープ』製作宣伝。「さっぽろ映像セミナー」企画運営。 真辺克彦と出会う。1995年西友退社。1996年「映画芸術」副編集長。 1997年株式会社メディアボックス宣伝担当『愛する』『ガラスの脳』他。

2000年有限会社ライスタウンカンパニー設立。同社代表。

●2001年 宣伝 パブリシティ作品

3月24日『火垂』
(配給:サンセントシネマワークス 興行:テアトル新宿)
6月16日『天国からきた男たち』
(配給:日活 興行:渋谷シネパレス 他)
7月7日『姉のいた夏、いない夏』
(配給:ギャガコミュニケーションズ 興行:有楽町スバル座 他)
8月4日『風と共に去りぬ』
(配給:ヘラルド映画  興行:シネ・リーブル池袋)
11月3日『赤い橋の下のぬるい水』
(配給:日活 興行:渋谷東急3 他)
12月1日『クライム アンド パニッシュメント』
(配給:アミューズピクチャーズ 興行:シネ・リーブル池袋)


●2002年

1月26日『プリティ・プリンセス』
(配給:ブエナビスタ 興行:日比谷みゆき座 他)
5月25日『冷戦』
6月15日『重装警察』
(配給:グルーヴコーポレーション 興行:キネカ大森)
6月22日『es』 
(配給:ギャガコミュニケーションズ 興行:シネセゾン渋谷)
7月6日『シックス・エンジェルズ』
8月10日『ゼビウス』
8月17日『ガイスターズ』
(配給:グルーヴコーポレーション 興行:テアトル池袋)
11月2日『国姓爺合戦』
(配給:日活 興行:シネ・リーブル池袋 他)

ヨコハマ映画祭審査員。日本映画プロフェッショナル大賞審査員。

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